いじめのこと。⑧

Sさんは会社で何度も泣いていたようで、ほかの職員もその姿をみているそうだ。所長は泣いているのを3回見たと、6/4、3人で私を待ち構えていた日に言っていた。所長は適応障害についてなんの知識もなかった。28歳の女性が何度も職場で泣いているのを確認しながら、恫喝レベルの指導をみて見ぬふりをしているのはいかがなものか?所長だけではない、ほかの職員についても同様に言えることだ。

 

横領した前所長はパワハラやりたい放題だったようで、就任して7年間で20数人が退職したという。前所長に嫌われると自分もターゲットになりかねないので歯向かうことを避けていたようだ。その影響は少なからず残っていたようで、Sさんが怒鳴られていても誰もかばってくれなかったという。

 

現所長は組織人としては善悪の分別がなくなり、信頼に値しない。たった一人になっても正しいことを言い続けろと助言していたが無理だったようだ。前所長が懲戒解雇になったときに、組織のガンとなっている2人の男性職員をクビにして、新たに採用することを勧めたが、それをすることなく、私を排除しようとした。内部告発者を助けた私を首にすると問題が起こるので嫌がらせすることしか手がなかったようだが、案の定、この2人がSさんをいじめた。(いじめがひどかったのは1位40代男性、2位50代男性とSさんが言っている。いじめられたひとの主観は正しい。)

Sさんの話を聞くようになって、女性のほうが話しやすいこともあるだろうと思い、副所長にランチでも誘って話を聞いてあげてくれと頼んだが、実現することはなかった。そういうことは苦手だからという理由だ。まじめな仕事ぶりは認めるが、長になる器ではない。まあ副所長も何度もK統括部長に現場の改善について意見したようだが、なにも変わらないからあきらめたと言っていたので自分にこもったのだろう。それはよく理解できる。


頼るところがなく、入社半年もたたずにSさんは孤立していた。野外教育施設の職員の中にたったひとりでも障害について知識があるものがいれば、いじめられずに済んだろうに。最近の教育現場では何らかの障害に分類される割合が4割を超えているとされている。教育施設を運営するに当たり、その程度の知識と対応策はあって然るべき。Sさんも行政の施設だから安心だと思って就職先として選んだけど想像とは違いましたと後悔していた。かわいそうに。あの施設の仕事はそれほど難しいものではない。指示さえ明確であれば、大半はパート・アルバイトで事足りる。社会の吹き溜まりに流れ着いたおっさんたちにえらそうに恫喝されながら指導されるような仕事などない。

利益を求める企業にとって指定管理制度はおいしいのであろうが、ひとの人生を預かるものとして、最低限の配慮が必要なのではないか?横領をみて見ぬふり、いじめ問題を隠蔽、障害を見抜くこともできずに多勢に無勢でいじめるなど、怒りを通り越して、あきれるというもの。

 

隠蔽するばかりで、自浄作用が期待できない組織に血税を投入する意義はないと思うが、どうでもよい話なのだろうか?